「コロナ期のSaaS導⼊変化でふり返る2020年」 SaaS利⽤実態調査レポートを公開
SaaS⼀元管理ツール「メタップスクラウド」を運営する株式会社メタップス(本社:東京都港区)は、500名の社内IT担当者を対象に⾏った「SaaSの利⽤実態調査」のアンケート調査結果をもとに、「コロナ期のSaaS導⼊変化でふり返る2020年」を公開いたしました。
新型コロナウイルスの感染拡大による企業活動の変化が注目された2020年。中でも特に、リモートワーク環境下における営業活動・業務フローの見直しは、多くの企業にとってSaaS導入を促進させた大きな要因となったと言えます。そこで今回、今後も新たなSaaS導入を控える様々な業界の方々に向けて、「SaaSの利用実態調査」に関するレポートを公開いたしました。SaaS導入における現状と課題の理解を深め、自社の企業活動にお役立ていただければ幸いです。
Topics
1.日本のSaaS利用数はアメリカの5年前と同レベル
2.コロナの影響でSaaS利用数は約60%増加
3.SaaSによる業務効率化のしわ寄せが情シスに
※グラフの抽出条件:グループウェア、IaaS、PaaSを除いて集計
業界/企業規模別SaaSの導入数についての調査
昨今SaaS市場の拡大が見込まれているが、実際にどれくらいの数のSaaSを企業が導入しているかの実態調査を行った。2020年12月の本調査時点でのSaaSの導入数が10個未満の企業が全体の80%を占めているが100近いサービスを利用している企業も存在していることがわかった。
①日本のSaaS導入数はアメリカの5年前と同レベル
(全業界)利用SaaS数調査
本調査で回答いただいた企業の中で最もSaaSを利用している企業は99個のサービスを利用していたが、国内の企業1社あたりのSaaSの利用数は、8.7個の利用となった。一方で、アメリカ国内の平均SaaS利用数は、80個という調査結果(※1)もあり、その調査の中にある5年前のアメリカ国内のSaaS平均利用数と現在の日本国内で利用されているSaaS利用数が同等となっている。
※1 参照元:BetterCloud調査
https://stateofsaasops.bettercloud.com/#form
(業界別)利用SaaS数調査
業界別に見ると「メディア業界」が最も多く、平均13.1個のSaaSを導入していた。その一方で、最も少なかったのが医療・士業にあたる「病院・医療薬品業界」「弁護士・司法書士業界」であった。SaaSの利用数が少ない企業の共通点として、働き方を変えることの難易度が高く、企業からのテレワークの推奨、命令率が低い(※2)ことがわかった。
※2 参照元:パーソル総合研究所
https://rc.persol-group.co.jp/news/202004170001.html
業界別/規模別よく利用するSaaS
実際にSaaSを利用している企業に対し、どのようなSaaSを利用しているかの調査を行った。その結果、上位をビデオ会議ツールが独占し、特に「Zoom」に至ってはアンケート対象企業の48%が利用していることがわかった。また、企業規模が大きくなるとグローバル対応の海外SaaSの導入が増加するという事もわかった。
(全体)利用しているSaaSTOP30
新型コロナウイルスの影響でリモートワークを導入した企業が増加したことでビデオ会議、電子捺印、ビジネスチャットなどのSaaSが多くランクインした。よく利用されているSaaSのTOPをビデオ会議サービスが占めていることから、このコロナ禍で多くの企業がリモートワークを推進し、ビデオ会議を利用してコミュニケーションを図ったことがわかった。
(業界別)利用されているSaaS
Zoomは全業界共通で上位にランクイン。コミュニケーションツールでは、Slackが「アプリ・システム開発関連」「金融業」で多く導入され、Chatworkは「教育関連」「不動産業」「サービス業」で多く導入されているなど業界によって傾向が異なった。その他、業界ごとにランキングの上下はあるものの導入しているSaaSは業界に関係なく同様のSaaSを導入していることがわかった。
(企業規模別)利用されているSaaS
Zoom/MicrosoftTeamsは従業員規模問わずランキングの上位にランクイン。従業員500名以上になるとSalesforceが上位にランクイン。加えて、企業規模が大きくになるにつれ、勘定奉行・弥生会計などの日系クラウドの導入が減少傾向となった。従業員3,000人以上の企業ではグローバル展開をしているSaaSの導入が上位を占めた。
カテゴリー別によく利用されているSaaS(参考)
(全体)SaaSを利用する目的
SaaSの導入目的で最も多かった理由が「業務の効率化のため」で約7割を占めた。続いて多かったのが「コスト削減」で2割程度となった。企業規模別、業種別で見てみても上位2つは同じ理由となり、SaaSを利用する目的としては「業務の効率化」と「コスト削減」を求めているということがわかった。
2020年コロナ流行によるSaaSの利用の変化
コロナの流行以降にSaaSの導入数がなどに大きな変化があったのか調査を実施した結果、半数以上の企業でSaaSの導入数が増加した事がわかった。企業規模では、大きな傾向は見受けられなかったが、業界別で導入数の変化を見ると対面で顧客と接点があった業界に関しては多くのSaaSが導入されたという結果になった。
②コロナの影響でSaaS利用数は約60%増加
2020年SaaSの利用数の増加
2020年、新型コロナウイルスの影響により多くの企業で働き方の変化が急速に求められた。特に、リモート環境下におけるオンライン商談の増加、契約書類の電子捺印などの世の中の流れに合わせた営業活動・業務フローの見直し、それに伴う新たなシステムの導入を行う企業が増えた大変革の年となった。これは同時に、「オンラインで完結するサービス」「システム開発を伴わず申し込み後即利用可能」であるSaaSの特徴とマッチし、半数以上の企業でSaaS利用が多くなったと考えられる。
(業種別)SaaS利用の増加
業界別に見ると、教育関連事業者は、8割を超える企業でSaaSの利用が増えた。従業員の働き方だけではなく、顧客との付き合い方に変化が必要となった業界ではSaaSの利用が特に増えたことがわかった。
実際に導入が多かった業界は、「教育」「金融」「不動産」。これらの業界では対面で顧客と会話することが前提となっているため新たな取り組みが必要となり上位を占める結果となった。メディア業に関しては、元々SaaSの利用数が多かったため、今回の働き方の変化に影響されることはなかったと考えられる。
(参考)新型コロナ以降の導入SaaS数
(企業規模別)SaaS利用の増加
企業規模別でみると、1,000名以上の企業で59%、3,000名以上の企業で51%SaaSの利用が増えた。今まで自社でシステムを構築していた大手企業でも積極的にSaaSの利用が進められていることがわかった。
(全体)3月以降に導入したSaaS数
(規模別)3月以降に導入したSaaS数
SaaSの導入数が変わらないという回答が40%台だったが、実際には1つのSaaSを導入している企業が30%程度あり、3月以降に新たなSaaSを導入していない企業は13%程度となった。3月以降に新たなSaaSを10個以上導入している企業が7.6%にも上り積極的にSaaSの導入を行っている企業が非常に多いことがわかった。
規模別で見ると従業員300〜500名規模の企業では、SaaSの導入数が1社あたり5つものSaaSを2020年3月以降に導入(導入決定)している。また、従業員300名〜500名の企業以外では、従業員数の多い企業ほど積極的にSaaSの導入を進めていることがわかる。
「働き方改革」や「DX」などコロナ禍で加速するデジタル化の流れに対して、規模の大きい企業は積極的にSaaS導入に取り組み始めているように見受けられる。
SaaS運用の増加に伴う課題とは?
ここまでの調査で、業界や企業規模で多少の偏りはあるものの、コロナの影響により2020年はSaaS利用が促進され1社あたりのSaaSの平均利用数が伸びてきたことがわかった。今回、SaaS利用が増加している中で、SaaS利用に伴う弊害はどのようなものがあるのかを調査してみた結果、SaaSの管理に対して企業が感じる課題として管理者不足が非常に大きい事がわかった。
③ SaaSによる業務効率化のしわ寄せが情シスに
(全体)SaaS運用についての課題
SaaSの導入においてかかる作業として、アカウントの作成や権限の設定。また、導入後の管理としては、入退社に伴うアカウントの作成や削除などがあるが、このSaaSの管理に伴う作業が従業員数×導入しているSaaS数となり、大きな工数となっている。調査結果からも、管理コスト、人材不足などの管理工数に紐づく点が課題と回答している企業が多い。
(企業規模別)SaaS運用についての課題
企業規模かかわらず人手不足は深刻な課題。3,000人以上の企業規模になると人手不足以上に「システム運用/管理コストの削減」が最も重要な課題となり、加えて「利用許可を取っていないSaaSが利用されている」という課題が顕在化してきていることがわかる。
(企業規模別)SaaS運用担当者数
実際にSaaSを管理する担当者の数は、企業規模が多くなればなるほど担当者をしっかりと増やしている企業の数が増えていく。しかし、3000名以上の企業でも10名未満の企業が55%程存在しており、担当者が1名の企業も数多く存在していることがわかる。この課題の解決策は、採用だけではなくSaaS運用手法のアップデートなどを行いかかる工数の削減などの管理効率化を図っていく必要性が高いということがわかる。
2020年SaaS市場の振り返り
新型コロナウイルスの影響が非常に強くでた結果となった。申し込んですぐ使える、オンライン上で使うことができる、イニシャルのコストが低いなどのSaaSの特徴が、新型コロナウイルスによって急激な働き方の変化を必要とした2020年にマッチした結果だと考えられる。さらには、ビデオ会議やビジネスチャットサービスなどリモートワーク 時やWithコロナ時代に必要とされているSaaSが企業の導入率の上位に入り、新型コロナの流行前には利用数が少なかった業界でもSaaSの一社あたりの導入数が増加するなどの点もやはり新型コロナウイルスのもたらした影響だと判断することができる。
定量調査
調査機関:株式会社シグナル
実施時期:2020年12月実施
エリア:全国
モニタ:20~60代の会社員、経営者・役員、公務員/勤務先の従業員数50人以上勤務先でSaaSを導入しているSaaSの運用(利用の監視、アカウント付与/削除や障害発生時の対応等)を担当している
全体:500ss
メタップスクラウドの取り組み
急激なSaaSの増加に伴い生まれた課題として、SaaSを管理する工数や人材の不足があります。この問題は、今後SaaS市場の拡大と共に企業に付き絡ってしまう課題ではないかと考えSaaS一元管理ツール「メタップスクラウド」を通じてSaaS管理に関わる課題解決に取り組んでいきます。また、多くの企業が課題と感じているSaaS管理の人材不足や管理の問題を深掘りした調査レポートを作成中です。詳細レポートや共同調査などをご希望の場合は連絡先までお問い合わせください。
メタップスクラウドについて
メタップスクラウドは増え続けるSaaSの複数導入を背景に生まれた、お金・時間のムダを改善する「SaaS管理」とセキュリティリスクを抑える「ID管理(IDaaS)」、の2つの機能を備えたSaaS一元管理ツールです。今後もSaaS一元管理ツールとしてID管理機能、SaaS管理機能と連携するSaaSを増やし、より効率的で安全なSaaS運用を実現いたします。
URL:https://www.metapscloud.com/
会社概要
会社名 : 株式会社メタップス (英文名 Metaps Inc.)
設立 : 2007年9月3日
代表取締役 : 山﨑 祐一郎
所在地 : 東京都港区三田1丁目4番地1号住友不動産麻布十番ビル 3階
資本金 : 54億44百万円 (2019年12月末時点)
事業内容 : ファイナンス事業、マーケティング事業、DX支援事業
ウェブサイト: https://metaps.com/
本件に関するお問い合わせ先
株式会社メタップス 新規事業グループ
担当: 古川・姫野
Mail:pr_mcloud@metaps.com